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「子どもの声が聞こえるコールセンターでもいいじゃん」という世の中へ――コロナ禍で不安を感じるオペレータさんのために奔走する社員

“コロナ禍”と呼ばれる混乱の中であっという間に過ぎていった2020年の上半期。企業の働き方も変わりました。

早々にテレワークへと切り替えた会社がある一方で、構造的に人が職場から離れられない現場もあります。オペレータさんが集まり、無数の個人情報を扱うコールセンターも、「テレワーク化が難しい事業」だと認識されているのではないでしょうか。

それでも、重要な問い合わせに対応するコールセンターは簡単には止められません。Twitterなどでは、コールセンターで働く人たちが感染への不安を訴える声も見られました。

オウケイウェイヴで営業企画に携わる大矢聡は、この状況を見てアクションを起こします。「オペレータさんを守り、雇用を守る」「新たな議論の様子を発信して、経営者の気づきやオペレータの希望へつなげる」。そんな思いで「コールセンターテレワーク化座談会」を開催。業界の最先端で活躍する方々の協力を得て、座談会の様子をオンラインで発信したのです。

一連の企画は、実は大矢がたった1人で奔走し、実現したもの。座談会開催までのストーリーと、コールセンターの未来に向けた思いを聞きました。


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大矢 聡
株式会社オウケイウェイヴ ソリューション事業部 事業推進部 営業推進グループ エキスパート。ソフトウェア会社の品質保証部(QA)で会計管理・人事給与管理システムの製品監査やマニュアル制作などを担当した後、2006年に株式会社リクルートへ転職。組織戦略策定や育成計画・成長支援、組織運営KPIの策定・実施、情報管理統括担当、ES向上、採用などに携わり、リクルートグループ全社のFAQサイトの改革にも従事。2011年「FAQを活用した問合せ削減とVOC活動」で、コンタクトセンター・アワード/テクノロジー部門最優秀賞を受賞。その後はFAQの運用やソリューションのコンサルティングを経て、2019年8月より現職。著書に『AI時代に進化する FAQの活用と実践』(リックテレコム)。


FAQに関わる原点となったコールセンターのために

――今回の「コールセンターテレワーク化座談会」を開催しようと考えたきっかけを教えてください。


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全国に緊急事態宣言が出されてからも、コールセンターの多くは稼働を続けていました。現場で働くオペレータさんの中には、感染への不安から「出勤したくない」とSNSへ書き込んでいる人もいました。

そんな状況の中で、コールセンターで働く人たちのために何かできることはないかと考えたのが入り口でした。

僕たちの生活は、コールセンターで働く人に支えられている面がとても大きいと思うんです。新型コロナウイルスに対応した給付金や助成金の申請でも、コールセンターが重要な役割を果たしています。

一方でコールセンター業界の関係者の方々と話していると、疲弊して仕事を辞めてしまったり、出勤したくないと考えたりしているオペレータさんたちの気持ちをよく理解していることが伝わってきました。

オペレータさんたちの気持ちをひしひしと理解し、安心して働ける環境を作るためにアクションを起こそうとしている業界関係者がいる。その事実を伝えることがオペレーターさんの希望につながるのではないかと考え、有識者の方々に「座談会の形で協力していただけないか」と打診したんです。

――座談会の企画書には、「オペレータを守る、雇用を守る、業界の未来を形成していく」「議論の段階から発信して経営者の気づきやオペレータの希望へ」という大矢さんの思いがつづられています。コールセンターや、そこに関わる人々へここまで深い思いを向けている理由とは?

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リクルートへ転職した頃の原体験があるからかもしれません。

僕はコールセンターがあるCS部門に配属されました。そこで最初に受けた研修が電話対応でした。当時のマニュアルは分厚いファイルに入った紙の資料だったんです。電話対応中に分からないことがあると、必死にページをめくって該当の項目を探します。10分も15分も待たせて、お客さんを怒らせてしまったこともありました。

「オペレータさんの仕事って、こんなに大変なんだ」と実感したわけです。そこで、スムーズに対応できるようシステム化したほうがいいと提案したら、「じゃあ自分でやってみなよ」と言ってもらいました。

それからずっとナレッジマネジメントの中のFAQという分野に関わり続けています。原点がコールセンターなので、僕にとっては特別な場所なんです。


直属の上司は「いいじゃん」と賛同し、やりたいようにやらせてくれた

――座談会には、業界を代表する有識者の方々が何名も参加されていますね。

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座長を務めていただいた齊藤勝さん(株式会社イースマイル 代表取締役CEO)は、僕が2011年に受賞したコンタクトセンター・アワード(コンタクトセンターやコールセンターの運営ノウハウを表彰するイベント。主催:株式会社リックテレコム コールセンタージャパン編集部)で審査員を務められていました。そのときからのご縁で、コールセンター業界のことを教えていただいています。

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齊藤さんに構想をお伝えしたところ、すぐに他の有識者の方々へ参加を呼びかけてくださりました。さらに、みなさんが「座談会の様子はオウケイウェイヴ発信でどんどん伝えてもらって構わないよ」と言ってくれたんです。それぞれの会社の名前を背負いながら登壇していただいているのに、本当にありがたいことだと思っています。

――今回の企画は大矢さんが1人で構想し、広げていったわけですよね。オウケイウェイヴとしては自社の利益に必ずしもつながらない部分もあると思うのですが、社内の関係者へはどのように提案し、実現へつなげたのでしょうか。

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「これで今期の売り上げがいくら伸びるんだ」と聞かれても、明確な回答はできません。ただこのような施策に取り組むことで、企業としての長期的な信頼を獲得し、まだ出会っていない方々にも「一度オウケイウェイヴに相談してみよう」と思ってもらえるようになるのではないかと感じています。

「FAQのシステムに興味があるけどちゃんと使ったことがない」「テレワークに興味はあるけどまだ実施できていない」。そんな企業の中には、オウケイウェイヴをあまり知らないところも多いでしょう。コールセンターテレワーク化座談会という形で興味を持っていただくことには、会社にとっても一定の意味があると思うんです。

実際に提案した際も上司からは一切反対されませんでした。直属の上司は「いいじゃん」と言って賛同し、僕のやりたいようにやらせてくれました。役員は社内で使っているMicrosoft Teams上で「いいね!」してくれました。

僕は個人的に、物事を成功させるための一番の要因は「思い」だと考えています。

「他の会社がやってないからやろう」とか、「売りにつながるからやろう」という動機で始めた事業は失敗する可能性が高い。誰を幸せにしたいのか。どんな世の中にしたいのか。それを本気で考える事業しか残らないと思うし、少なくとも僕はそうありたいです。

業界としての「こうしたい」と、世の中の「こうあるべき」をマッチさせていくべき

――座談会実施後、視聴者や関係者からはどのような反応が寄せられていますか?

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ご協力いただいた企業の広報の方々が座談会の動画や記事をシェアしてくださり、企業単位で賛同の輪が広がっています。

また、動画を見て「テレワーク化を考えている知人経営者にソリューションを紹介させてほしい」という声もダイレクトにかけていただくようになりました。

――今後、実際にコールセンターをテレワーク化していくためには何が必要なのでしょうか。

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業界としての「こうしたい」と、世の中の「こうあるべき」をマッチさせていかなければならないと考えています。

例えば、オペレータを守るために在宅テレワークでコールセンター業務を運用するとします。現状では、問い合わせをしてきたお客さんに子どもの声などが聞こえると、「えっ? 自宅で対応しているの?」と驚かれたり、不安に思われたりするかもしれません。

リアル店舗でもそうでしたよね。コロナ初期には「店員がマスクを着けて接客するなんてけしからん」という声もありましたが、今ではマスクをしていないほうが受け入れられないはずです。

世の中の、消費者側の「こうあるべき」という意識が変わることで、受け入れられる範囲も変わっていくと思うんです。

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――そうした意味では、業界関係者だけではなく、一般の人たちにも訴えていく必要がありますね。

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そうですね。個人情報をきっちり守れる体制を整えた上で、消費者に対して「在宅勤務で対応します」「生活音が入る可能性があります」といったアナウンスを行っていくことも必要だと考えます。

そうした工夫が「子どもの声が聞こえるコールセンターでもいいじゃん」という世の中の認識につながっていくと思うので。

現状では、このような工夫をシステムで実現すべく、「Visual IVR」という機能との融合を進めています。IVRというのは、入電の際にあらかじめ用意した音声で対応したり、メニューに応じて番号入力を案内したりといった機能を持つシステムで、これはみなさんもなじみがあるのではないかと思います。

Visual IVRでは、お客さんからのコールがあった際に「在宅オペレータが応対いたします」といった案内を画面表示でも行うことができるんです。より分かりやすく、確実に案内することで、お客さん側にも「コールセンターの拠点がオペレータさんの自宅に分散しただけなんだな」という理解が広がっていくことを期待しています。

業界側が手を打てるアクションはまだまだたくさんあります。本気でテレワーク化を実現し、当たり前にしていくために、一つひとつの課題へアプローチしていきたいと思っています。

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